若ハゲ・若白髪の心臓病リスクは5倍以上

”薄毛さん”への風当たりが一層強くなりそうなニュースですね。

根拠となるのは2017/11/30にインド心臓病学会がESC(European Society of Cardiology:欧州心臓学会)で発表された正式な情報のようです。

European Society of Cardiology
European Society of Cardiology

2000人以上の男性を対象に行われたこの研究。早くして髪が抜け落ちた人(若ハゲ)そして白髪になった人(若白髪)と冠動脈疾患との関係についての調査目的だったようですね。

その結果。早くに髪の毛が抜ける男性(若ハゲ)の心臓病リスクは、通常の5.6倍!また、早くして髪の毛の色素を失って白髪になる(若白髪)男性の心臓病リスクはと5.3倍!ということです。

なんとショックな結果でしょう。研究を行ったインドのU.N.メータ心臓病研究センター(U.N. Mehta Institute of Cardiology and Research Centre)のカマル・シャルマ医師(Dr Kamal Sharma)は「禿頭症および早発灰色化は、冠動脈疾患の危険因子とみなすべきである」と主張をしているそうですね。

医師の主張を要約しますと

「今回の研究結果から、肥満であることよりも若ハゲや若白髪であることのほうが心臓病との因果関係が深く、また若ハゲや若白髪はヒトの実年齢よりも生物年齢をあらわすとも言えるので、心臓病予測の重要な指針として見るべきである」

といった感じのようですね。

ただしこの研究。新しい角度からの調査結果であるのは確かですが、まだ発表されたばかりのものですので、精度としては注意が必要であるようです。ですから今後、人種や年代などを広げて、より汎用性のある数字が求められていくのでしょう。それまでは少し判断は留保しながらも、やはり気になるテーマでもあるので、注意して見ていきたい研究かな?と思いますね。

秋田の男性は短命?深刻な寿命格差

みなさま「ハツラツ生活2017冬号」はお手元に届きましたでしょうか?

そちらでも書きましたが”健康格差”についてもう少し考えてみました。

 

統計学とかビッグデータなんて言葉から始めると少し難しく感じられる方もいるかもしれませんが、近年そういった膨大な個別データを解析して社会的に新しい指針を読み取ろうとする作業が広く行われていることは何となくご存知でしょう。単純に商売目的のものから社会的意義を含んだものまで様々あり、それは日本も例外ではなく、こんな本もよく読まれているようです。

健康格差
「健康格差 あなたの寿命は社会が決める」

健康や命というものは非常に個人的なレベルで認知されがちで、このような広い範囲からグループ分けされると、どことなく他人事のように思えてしまう方もいらっしゃるようですが、全ての基準は個人から始まった数字ですので、むしろみなさん個人に最も近いお話であることは大切な視点です。

こちらの本の中では、”秋田県の男性が短命である理由”や”東京23区で短命な足立区が取り組むプロジェクト”などの具体例をもって「個人の寿命は社会によって決められる部分がある」という主張をされています。社会ということは私たち個人の集まりですので、個人でもそういった意識を持つことを啓蒙する意味合いも含んでいるといえますね。

世界的に言えば人類史上初めて人口の半分以上が都市部にするようになった現代、それはつまり人工的につくられた環境の中で暮らす人々が増加していることとなります。もちろん自然環境も過酷ではありますが、人工環境の弊害は分かり辛い分、手遅れになるまえに”調整”を求めようと試みているわけです。

日本も随分前から「高齢化社会」と言われ、その傾向が今後ますます高まることは避けられない状況にあります。そこで国として”高齢者が増えるのは仕方ないから健康で自立できる状態を長く保ってもらう”という方針を社会構造的に進めようとしているようにも見えますね。それだけ改善されない”高齢化”が深刻であるということなのでしょう。ただ何だか国として言われると、先程も言ったように”他人事”のように聞こえる部分もありますし、ちょっと上から言われているようにもの感じてしまう方もいるような気がします。しかし、よくよく考えてみれば私たち個人に還ってくるお話ですので、住む場所の環境によって寿命が左右される事態はできるだけ避けたいもの。そして健やかな人生を長く過ごすためにも、実は既に結構たくさん発表されている、こういった情報には注意を向けていきたいですね。