オキシトシン(Oxytocin)

授乳
オキシトシンは授乳時にも分泌されます

オキシトシン(Oxytocin)は、下垂体後葉から分泌されるホルモンで、神経細胞で産生される神経ペプチドの一種です。一般的に愛情ホルモン信頼ホルモンとも呼ばれ、出産や授乳、子育てや他者との親密な関わり合いなどで脳内および血中へ放出され、対人関係を柔和にする効果があります。

対人関係が良好な状態にあると、脳内で多くのオキシトシンが分泌されます。 また、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させることも分かっています。医療の現場では分娩の促進薬として使用されたり、乳腺の筋線維を収縮させることから母乳の量を増やすことを目的に利用されています。また、自閉症の改善神経性食欲不振改善アルコール依存症改善といった精神に起因する多くの症候群などにも改善できることが期待されています。オキシトシンを摂取すると、たとえ金銭的損害を被っても再度、取引相手を信用してしまうなど、安易に他人を信用してしまうといった報告もあったりします。こうした日本をはじめとする多くの改善報告がされる中、研究によっては偽薬との差が認められなかったりするなど、今のところ世界中で自閉症治療薬としての利用は認められておらず、今後のさらなる研究が期待されている注目のホルモンなのです。


『参考・参照元』

「オキシトシンがつくる絆社会/シャスティン・ウヴネース・モベリ」

「人は愛することで健康になれる/高橋徳」
・論文ID( PMID: 28506922 )
・論文ID( PMID: 30990816 )

イチョウ葉(Ginkgo Biloba)

イチョウの葉
イチョウの葉(Ginkgo biloba)

イチョウ葉(Ginkgo Biloba)エキスとは文字どおり日本でも馴染みのある樹木のイチョウの葉部分から一定の成分を抽出したもの。イチョウは世界古来の樹木の一つで「生きた化石」とも呼ばれ約2億5千年前から生存している植物です。

イチョウ葉エキスの成分については、歴史的にその有用性を探る研究が多くされており「記憶の改善」「脳機能障害の改善」「末梢循環障害の改善」などの効果が報告されています。ドイツやフランスでは医薬品として治療に用いられています。ところが日本では馴染みのあるイチョウですが、世界的にはレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されており、このイチョウ葉エキスもドイツやフランスへ輸出されています。イチョウの実である銀杏は食用にもされることがあることから、銀杏を食べれば同じじゃないか?と考える方もいますが、イチョウ葉や銀杏には有毒成分の”ギンコール酸”が含まれており成人が一般的に食する分に問題は無いものの、健康成分として摂るにはシッカリと精製されたものであることが前提となります。


『参考・参照元』
「α-リポ酸・イチョウ葉エキス・L-カルニチン含有健康食品の認知機能改善効果」(日本補完代替医療学会誌 5 巻 (2008) 2 号 135-143)
・DOI: https://doi.org/10.1073/pnas.182425199
・論文ID(PMID: 2044394)
・論文ID(NAID)10013352768