脳卒中などの要因”血圧サージ”を抑えるタオル握り

そもそそも”血圧サージ”ってなに?

以前より”モーニングサージ”などと呼ばれ、朝起きて1時間から1時間半くらいの間に生ずる急峻な血圧上昇ないし血圧高値について指摘されてきた症状ですが、最近NHKの各番組で”血圧サージ”というキーワードで取り上げられることが増えています。そこでは朝だけでなく夜間も含めた

「1日の中で急激に乱高下する血圧の変化」

といった形で紹介されています。そしてこの急変化を繰り返すことで、脳卒中のリスクは2倍~4倍にもなるそうです。さらに最近では認知症の要因の一つでもあるとされています。日本全国で900万人がこの血圧サージの症状を持っているとされてもいます。自覚症状はありません

血圧サージ
青が正常、紫が高血圧の血圧変動。赤と黄色で示されているのが血圧サージの血圧変動。正常な変動と比較すると、朝に急激に上がりすぎたり、夜になっても下がらなかったりする(NHKサイトより引用)

もちろん血圧は元より朝低く、日中に上昇して、夜に再び低くなる動きをするものですし、変化すること自体はリスクではありません。急激な変化を繰り返すことが血管壁への負荷となり、血管破裂などを誘発させることが危険視されているのです。

では、血圧サージになる要因って何でしょう?

日本高血圧学会理事の苅尾七臣(かりおかずおみ)教授(自治医科大学)によると交感神経が何からの刺激を受けて、本来ならゆるやかに上下する血圧が急激に変化してしまうそうで、交感神経を刺激する要因として次のことが挙げられています。

・加齢
・肥満
・飲酒
・塩分
・喫煙
・不眠
・ストレス

まあ、生活習慣病などではよく言われることが揃っていますね。ただ、ここまでの指摘はこれまでにも繰り返されてきましたが、先日の「NHKスペシャル 血圧サージが危ない~命を縮める血圧の高波~」では、画期的な改善法が紹介されていました。

その名は「ハンドグリップ法」

アメリカなどでは運動療法のガイドラインにも載っている方法で、専用の器具もあるようです。しかしながら日本ではその器具が販売されていないため、日野原記念クリニックの久代登志男先生が考案した方法が紹介されていました。

「タオルグリップ法」

①タオルは縦30cm、横80cmのフェイスタオル使用

②横に2回、縦に1回折る

③丸めて握る。※親指と他の指がつかないようにするのがポイント。

そしてこのタオルを全力の30%くらいの力で、1回2分として左右2回づつ交互に握るだけ。これを1日おきに4週間続けるだけで多くの方で血圧サージの生じる回数が減るそうです。

なんという簡単さでしょう。

是非とも今日から始めたいですね。

西日本は骨折しやすい?沖縄は秋田の2倍

やはり原因は食生活にありそうだということです。

大腿骨骨折図

大阪医大や骨粗鬆症財団、近畿大の研究グループが、公的医療保険を使った医療の受診記録に当たる診療報酬明細書(レセプト)の情報を全国で集めて作られた厚生労働省のデータベースを活用し、2015年の大腿骨骨折の男女別患者数を都道府県ごとにまとめ、40歳以上の10万人当たりの発生率を集計しました。その結果、全国平均を100とすると女性で最も大腿骨骨折が多いのが兵庫県の120、男性で最も多いのが沖縄県の144でした。以下は表のとおり。

骨粗鬆症グラフ

見てわかるとおり低いのは男女とも秋田、青森、岩手、宮城、北海道の順になっていますね。

研究チームの玉置淳子・大阪医科大教授(疫学)によると「気になる人は骨検診の受診、カルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取、運動の習慣づけや、リスクになるやせ過ぎへの注意などを心がけてほしい」とのこと。

結論として明確な原因は不明のままであることは心にとめておきたいですし、こういったデータの発表には”○○を食べるから”といった分かりやすい予測が付きものです。もちろん原理として先生のいわれる成分摂取が重要なことはハッキリしています。とはいえ気を付けたいのは、それらの食材なり成分なりを摂取すればOKといったことではないということですね。正しい生活リズムや適度な運動なんかも併せて行いたいことだと思います。