昔からタバコについて「百害あって一利なし」なんて言われますよねー。本当に百個の害があるのかはわかりませんが、このたび新たに1個の害が追加されたようです。
この研究は、ブラジルのジョアンペソア知覚神経科学行動研究所に所属するチアゴP. フェルナンデス博士らによって行われ、コンサルタントとして参加したアメリカはニュージャージー州にあるラトガース大学で行動医療を研究するスティーブンM. シルバースタインは言います。
「タバコの煙は健康に害を及ぼす多数の化合物から成り、それは脳内の層の厚さの減少、そして自発運動に関与する前頭葉のような領域を含む脳の損傷に関連しています 」
これまでの研究から長期喫煙は加齢黄斑変性のリスクを2倍にし、レンズの黄ばみや炎症を引き起こす要因として指摘されてきましたが、 今回の実験によって1日20本以上の”タバコ中毒”と規定される喫煙習慣者には、視覚処理における全体的な欠陥の存在が指摘されることになりました。
具体的には赤色と緑色や、青色と黄色といった近縁にある色彩の微妙な違い、簡単に言えば色の違いが感じ取りにくくなる傾向があったそうです。生理的な因果の証明は今後の研究結果を待つことになりますが、激しい喫煙習慣に警鐘が鳴らされることとなりました。
ひと昔のことを思えば、日に日に肩身が狭い立場に追いやられている喫煙習慣ですが、リラックス効果などの利点もありますし、今回の発表なども考慮した上であくまで嗜好品として楽しまれるようにした方が良いですね。1日20本以上の”依存”という範疇に入らないようにしましょう。